最期を美しく終えたい方へ。特殊メイクアップアーティストとカメラマンが貴方の終活をお手伝いします。

「終活」を行う人は凄く多い理由

僕は小さいフォトスタジオの店長。

仕事柄、たくさん写真を撮りますがその用途は様々。

ビジネス用ポートレートや証明写真、婚活用お見合い写真などなど。

ここ数年で撮らせて頂くことが多くなったのが「生前遺影」。

終活という言葉も認知されたが、生きている間に自分がいつ死んでも良いように諸々準備すること。

その終活の一環で、自分の葬儀に使用する写真を事前に撮っておく方が実に増えている。

体感では圧倒的に女性が多く、男性は奥さんに連れられてついでに撮っていく方が殆どかな。

いろんなお話をしながら和やかに撮影が進むわけですが、よくある会話として

「なんで遺影写真を撮っておこうと思ったの?」という話題。

終活する理由は思いやりが主。でも本音は…?

この問いに対しての返答は、私の体感上ほぼ100%、まずはこう答えます。

「私が死んだときに家族の負担になるようなことはできるだけしたくない。迷惑を掛けたくない。」と。

思いやりがあって凄く優しい答えですね。ご自身が親の葬儀で大変だった経験があり、我が子に同じ思いをさせたくないとお話される方も多いです。

しかし、これは「まずはこう答える」方が多いという話。

会話も弾み仲良くなってくると、特に女性の方はある「本音」をぽろっとお話される方がとても多い。

それは、元気な時に「美しい」自分の写真を撮っておきたい、ということ。

まぁここまでストレートに言う方はなかなか居ませんが、死ぬ間際はヨボヨボになっているかもしれないので今のうちに、という方や、自分が死んだ後にアルバムから抜き出した適当な写真を引き伸ばして遺影に使われたくない、という方は凄く多いですね。

要約すると、自分が納得した写真を遺影にしたいということ。「自分らしくて美しく映える」写真を遺影にしたい方が本音では大多数ということなんですね。

終活における生前遺影写真撮影は、実は家族を思いやる気持ちだけではなく、自分の最期をどうしたいのかを具体的に向き合えるものなんだなと実感します。

自分の「死」はネガティブ?ポジティブ?

親族や知人が亡くなり、葬儀に参列した際に、良いお葬式だったなと思うことはあれど楽しかったと感じる人は居ないでしょう。

近しい方の葬儀で、悲しい気持ちや寂しい気持ちがあって当然。ポジティブな気持ちになど普通なるはずがありませんよね。

しかしそれが自分の葬儀だと、あなたはどんな気持ちになるでしょうか?

恐らくこの問いには誰も答えられないでしょう。当たり前ですが自分の葬儀が行われている時にはもう死んでいるからです。感想をインタビューしたくても答えてくれません。

親しい他者の死はとても受け入れがたい、ネガティブな気持ちにどうしてもなってしまいます。

また若く健康な者ほど自分の「死」に対する意識は低く、そのようなことを考えることすらも拒絶する傾向があるそうです。これも死に対してネガティブな考えであると言えます。

生前遺影写真撮影のお客様で、たまに来られるのが癌などの御病気で余命宣告された方。抗がん剤治療をする前に、髪が抜けてしまう前に撮っておきたいという方が多いです。

10~20代の方もおられます。良い笑顔で映ってもらいたいので努めて明るく会話しながら撮影させて頂くのですが実際は、胸が締め付けられる思いですね。

ただお客様当人は驚くほど明るい方ばかりなんです。僕が撮らせてもらった方は全員と言って良い程。身体的ではなく精神的に、言い方が上手く見つかりませんが達観しているというか、自分の死に対して凄くポジティブ。想像を絶する、苦悩の日々を経て辿り着いた境地なのかもしれません。

程度はあれど「終活」を行うということ自体、死に対してポジティブな思考に辿り着いたという証かもしれませんね。

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